先日に引き続き,大須賀・石川研主宰の「ダイナミクスと制御研究会」と,本学機械工学専攻の「ロバスト制御特論」の共催として神戸大学准教授の増淵泉先生に特別講義をしていただきました.今回の題目は「線形行列不等式を用いた制御系設計」です.まさに制御理論の王道中の王道ともいえるテーマで,増淵先生はその王道をリードして来られたエキスパートのお一人です.
私が大学院生だった90年代後半頃は,LMI, ロバスト制御,それに基づく制御系設計やゲインスケジューリング制御等の研究がシンポジウムで大半を占めるような状況でした.専門がやや異なる私でも,学会に行っていれば門前の小僧で自然と最低限の知識(あるいは問題意識)が頭に入ってきましたが,2〜3年で発展的なテーマにキャッチアップしなければならない現在の学生さんは,なかなかこういった知識を学ぶ機会がないかもしれません.
本日出席していただいた学生さんにはぜひ,今日のお話は「一部の人だけに必要な専門的トピック」ではなくて,「制御に関わる研究をする人なら一通り知っておいて欲しいスタンダード」なのだと認識してもらえればと思います.
増淵先生,どうもありがとうございました.次回は年明けの2012年1月6日(金)に金沢大学の金子修先生をお招きしてご講義いただきます.