2/01/2011

三叉ヘビロボット version 0

三叉ヘビロボット version 0


三叉ヘビロボット version 0
製作時期:2003年7月
制作者:坂本憲久,葭本香太郎(東京大学B4)
キーワード:LEGO Mindstorms, H8, BrickOS

筆者が東京大学の助手をしていたときに,計数工学科のシステム情報工学実験第二という科目がありました.これは,4年生の前期を2回にわけて,2つの研究室に6週間ずつ滞在して輪読やミニプロジェクトをこなすというものです.東大は院試が8月,卒論が10月からというスケジュールなので,それに備えたプレ研究室配属といった位置づけでした.

この科目で配属された坂本憲久君と葭本香太郎君の両名に,LEGOで三叉ヘビロボットを作ってみようか,と持ちかけて取り組んでもらったのがこの零号機です.まったくの手探りからのスタートだったので,いろいろ苦労のあとが見えます.全体のサイズは30cmくらい.まだRIS 1.0の時代なのでモーターが立方体型です.真ん中のベース部分がどうしても重くなりがちなので,モータを車輪の真上に配置し,ベルト駆動で関節を回しています.また,ロータリーエンコーダもベルト駆動したうえ,分解能を上げるために増速しています.
マイコン(RCX1.0)は重すぎたので本体に載せるのはあきらめ,写真の左方にケーブルでつながっています.基本的に直交に組むことを前提としたLEGOのパーツをつかって正三角形を作るのにもちょっと苦労していました.

プログラムはRCX用のリアルタイムOSとしてフリーで配布されていたBrickOSを使用して開発.RCXの中身は整数演算しかできないH8ですから,sin/cosを効率よく計算させたり,赤外線タワーとLNP(Lego Network Protocol)を介して無線制御するなど,オモチャのような見ためと裏腹に中身は結構がんばっています.6週間の成果としては上出来でした.

残念ながらあまりうまくは動かず,動画なども残っていません.学会発表などもしていませんので「幻の三叉ヘビ」になってしまいましたが,いずれにせよこれが記念すべき最初の三叉ヘビロボットということで,バージョン番号0を振っています.